法律コラム

ITトラブルでの弁護士活用術

 今や日常生活に欠かすことのできないインターネットやIT技術。スマホやパソコンでWebサイトを閲覧したりECサイトで通販をしたりととても便利ですよね。ほかにも、テレビに繋いで映像配信サービスで映画を見たりホームスピーカーで音楽配信サービスを利用したりなんてこともあるでしょう。
 また、最近ではIoT技術(モノのインターネット)の発展がめざましく、日々の生活におけるインターネット利用の重要性は日増しに高まっています。
 他方で、インターネットやIT技術に関するトラブルもその利便性や高度の技術性ゆえ避けられません。企業が当事者となる事例としては、例えば、企業におけるIT技術を駆使したサービス等を導入するに際してのサービス導入側とサービス供給側とのトラブル、企業における情報セキュリティの問題など様々なものが考えられます。
 ここでは、紙幅の関係上、上記で例示した2点について記していきます。

デジタルデータのトラブル予防について

企業におけるIT技術を駆使したサービス等を導入するに際して、サービス導入側とサービス供給側との間でトラブルが生じることがあります。そうならないために、導入側・供給側双方の担当者が開発・導入するシステムやプログラムなどについて要件定義等の各段階において綿密なコミュニケーションを図り、導入・実行に向けた共通認識を涵養するという実務的な側面が重要であることはいうまでもありません。
 それに加え、法務面からそれを予防するとすれば、契約書の作成が重要です。つまり、契約目的や適用範囲、契約不適合責任、仕様変更の際の規律などトラブルになり得る点について、契約書に解決のための規範となる条項を明示し紛争を予防することが大切です。プログラムの作成にはプログラム言語が必要であるように、契約書の作成には法律知識が必要です。そのために弁護士が契約書作成に関与することで紛争の未然防止が図られる実効性が高まります。

情報セキュリティの問題

情報セキュリティとは、一般的に、企業や組織の情報資産を「機密性(許可された者だけが情報にアクセスできるようにすること)」「完全性(情報の正確さを保つこと)」「可用性(許可された者が必要なときにいつでもその情報にアクセスできること)」に関する脅威から保護することとされています。どのような脅威が考えられるかというと、不正アクセスによる情報漏洩やデータの破壊、改ざんなどが考えられ、これは外部からのアクセスのみならず内部から生じ得ることも考慮する必要があります。特に、企業では、顧客情報をはじめとして、さまざまな情報を保有、管理しますので、常にそれらを狙う脅威にさらされています。
 そして、情報漏洩などが生じ、顧客などに損害が発生すると、場合によっては企業が損害賠償請求をされるなど法的リスクにも直結する可能性も大いにあります。その対策のためには、技術レベルでの対策はもちろん関係法令などを踏まえた社内教育、内部統制システムの構築等全社的なリスクマネジメントの充実が必要となります。
 ところが、関係法令は昨今頻繁に改正がなされており、それらをキャッチアップするのは大変な作業になります。また、全社的なリスクマネジメントにおいて法律的なアプローチは重要なポイントです。理論と実務を備えた弁護士がサポートすることで、充実したリスクマネジメントが可能となるはずです。

これらITトラブルは未然に防ぐことが大切です。ぜひ弁護士法人ASKにご相談ください。