イトウの経営Column

経営理念を作ってみよう【代表イトウの経営Column】

代表弁護士兼中小企業診断士のイトウです。定期的に経営に役立つ情報をあげています。バックナンバーはこちら。

令和5年度中小企業診断士試験に合格し、実務従事を経て、令和6年9月に中小企業診断士に登録しました。

これから定期的に、法的観点に捉われない、経営者の視点からの企業経営に関するコラムを掲載していきます。
通勤時間やほっと一息つきたいとき、孤独を感じたとき・・・などなど、ちょっとしたときに気軽な気持ちでお読みいただければと思っています。

第1回は「経営理念を作ってみよう」です。

経営理念とは自社の存在意義の言語化

およそ全ての商売は、社会に役に立つ商品やサービスを提供して、その対価をいただくという構成になっています。社会の役に立っていない生業(犯罪集団、反社会的勢力など)や、対価の発生を全く予定していないもの(サークル活動や純粋なボランティアなど)は、商売とはいえないでしょう。
そして、対価をいただくことで雇用を創出し、商品やサービス自体を強化していくことで、その価値の輪(和)を広げていくということこそが、企業に求められた存在価値だと考えています。

私は、2017(平成29)年に神奈川県中小企業家同友会において経営指針作成部会を受講し、経営理念を作成しました。
そもそも経営理念とは何なのか、2019(平成31)年に考えたnoteを公開していますので、こちらもぜひご一読ください。

当事務所の経営理念

当事務所の経営理念は

「人生の道を照らして
フェアで明るい社会を実現し
心おどる愉快な未来を創造します」

というものです。

ここに自社の存在価値を設定することで、現在自社(事務所)で手がける事業、ないし今後手がけるべき事業が明確になりました。

経営理念を作成した後で私が立ち上げた事業として、「士業レスキュー」があります。
「士業レスキュー」とは、主に弁護士等士業の懲戒請求への対応を中心とした、士業の味方となるサービスです。
これまで、弁護士自身が自らの身を守るために代理人を就けるということは、必ずしも定着しているとは言えませんでした。普段は、あちこちで「代理人を就けることは重要ですよ」と言ってるにもかかわらずです。
弁護士にも弁護士の代理人をつけるサービスを開始することで、弁護士にとっても「フェア」な社会を実現できると考えています。

その後、中小企業診断士にチャレンジすることを決めたのも、この経営理念について深く考えた結果です。
弁護士だからこそできる企業支援を通じて、社員や取引先も含めた愉快な未来を創る手段として、より経営の知識やノウハウを身につけることが重要だと考えたのです。

やらないことがきまる

経営理念を定めることで、自社が「やらないこと」も明確になります。
漠然と「いいもの」、漠然と「役に立ちそうなもの」を片っ端からやっていては、限られた経営資源が分散してしまい本来やるべきことも実現できなくなってしまいます。

自社がやるべきでないことは他社に任せることで、自社が本来やるべきことに資源を集中できます。結果的には、任された他社の側も「対価」を得るわけですので、社会としてあるべき役割分担が創出されます。

ぜひ、経営理念を定めて、貴社にしかできないことに集中しましょう。
それが社会に求められていることであり、それこそが貴社の存在価値です。

まとめ

経営理念は、その会社の存在価値を言語化したものです。
貴社がやるべきこと、やるべきでないことを明確にし、ともに世の中に長く必要とされる企業へと成長し、発展していきましょう。