イトウの経営Column

よその顧客の声をサービス改善に活かそう

顧客の不満を聞き取る必要性

近年、居酒屋や飲食店で導入が進んでいるスマホ注文システムは、一般的には「店舗にも顧客にもメリットが多い」とされています。しかし、ネット上ではその利便性や実効性に対して疑問を持つ声も少なくないという記事がありました。

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ネット上のある投稿では、チェーンの串カツ店がスマホ注文システムを導入した結果、店舗運営が混乱し、経営が厳しくなった事例が紹介されていました。問題点として、店員がシステムに詳しくなく、注文に関する質問に対応できなかったこと、また、客がスマホ操作に不慣れでサポートを求めるケースが増え、店員がその対応に追われたことが挙げられています。さらに、注文がネットのサーバーを経由することで遅延が発生し、結果としてオペレーション全体がうまく機能しなくなったとのことです。

この記事に対するコメントとして次のようなものがありました。

  • 「アプリ登録の手間が嫌。決済もアプリ上だから面倒。」
  • 「スマホ注文って、結局客に負担を押し付けてるだけじゃない?」
  • 「客の持ち物(スマホ)を利用する姿勢が厚かましい。」
  • 「某コーヒーチェーンもモバイルオーダー導入後、業績が落ちているらしい。やはり実店舗での接客要素は重要。」

き、きびしい…

ネガティブな意見こそ大事

多くの企業ではお客さまに対するアンケートを実施して改善活動につなげようという努力をされているとおもいます。実際、アンケートは貴重な改善のきっかけですので、コストをかけて実施することは極めて重要です。

ただ、ホンネを正直にぶつけてくれるかとなるとそれはまた別かも知れません。

上のコメントにあるように、顧客の飾らないホンネというのは、(当事者が聞いていないと思っている)外部に対してつぶやきのように出てくることが往々にしてあります。特に、現行サービスに対する強い不満を持つ顧客ほど、アンケートには回答せずに離脱した上でSNSで発散させる傾向があります。そのため、解約時の顧客アンケートや、SNS上の意見を積極的に収集・分析することが重要です。

また、自社のサービスに対する直接的なフィードバックが得られなくても、同業他社の炎上事例を参考にすることで、顧客の不満ポイントを把握し、改善につなげることができます。他社の失敗を反面教師とし、自社のシステム設計やオペレーションに活かすことは、有効な手段の一つです。

スマホ注文システムに限らず、新しい仕組みを導入する際は、単にコスト削減や効率化だけを重視するのではなく、顧客視点での利便性やストレスを慎重に検討する必要があります。自社アンケートだけでなく、業界全体の動向や顧客のリアルな声を分析し、より良いサービス改善につなげていくことが、長期的な成功の鍵となるでしょう。

なお、当然ながら、虚偽やデマ、名誉や信用毀損に至るような書き込みに対しては毅然と対抗しましょう。その際は弁護士に相談を。

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