令和7年10月から神奈川県の最低賃金が63円引き上げに!
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神奈川県の最低賃金額が1225円になります
厚生労働省神奈川労働局によると、令和7年10月4日から、神奈川県の最低賃金が、1時間あたり1225円となり、63円引き上げられることになるそうです。
(令和7年10月3日までの神奈川県の最低賃金は1時間 あたり1162円です。)
最低賃金の決定方法
最低賃金は、最低賃金法によって定められています。
最低賃金法10条では、「厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、一定の地域ごとに、中央最低賃金審議会又は地方最低賃金審議会(以下「最低賃金審議会」という。)の調査審議を求め、その意見を聴いて、地域別最低賃金の決定をしなければならない。」とされています。
これに基づいて、最低賃金は、「労働者の生計費」「類似の労働者の賃金」「通常の事業の賃金支払能力」の3つを考慮して、中央最低賃金審議会が目安を示し、各都道府県の最低賃金審議会が地域の実情に合わせて決定し、都道府県労働局長が最終決定します(厚労省「最低賃金の決め方は?」)。
労働者の生計費
労働者が健康で文化的な最低限度の生活を送るために必要な費用です。生活保護の施策との整合性に配慮して検討されます。
類似の労働者の賃金
同種・類似の事業に従事する労働者の賃金水準や、当該地方の労働者全体の賃金水準が参考とされます。
通常の事業の賃金支払能力
個々の企業の支払能力ではなく、その業種等において、正常な経営を維持できる事業全体の賃金支払能力が考慮されます。
すべての労働者の適用されます
この神奈川県最低賃金は、神奈川県内の事業場で働く“すべての労働者”に適用されます。
“すべての労働者”というのは、正社員であれ、臨時職員、アルバイト、パート職員などいずれの雇用形態や名称であっても適用されるということです。
ただし、派遣労働者については、派遣先の事業場が所在する都道府県の最低賃金が適用されることになりますので、この点は留意してください。
最低賃金の対象となる賃金に含まれないものもあります
このように最低賃金の額は増額になりますが、次の賃金は、最低賃金の対象となる賃金には含まれません。つまり実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。
- 精皆勤手当、通勤手当、家族手当
- 臨時に支払われる賃金
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
- 時間外、休日労働に対する賃金、深夜割増賃金
最低賃金の減額に関しては特例があります
また、精神や身体の障害により、著しく労働能力が低いという事情があるなどの場合には、使用者が、神奈川労働局庁の許可を得た場合に、労働能力やその他の事情を考慮して減額した額が、その労働者の最低賃金とみなすという特例があります。
(※詳しくは、厚生労働省神奈川労働局のウェブサイト「最低賃金制とは【賃金室】」の質問2に記載があります。)
賃金の引き上げのために活用できる助成金などの措置があります
加えて、賃金の引き上げ事業者が、設備投資などを行い、事業場内の最低賃金を引き上げる場合に活用できる助成金制度(業務改善助成金)があります。
厚生労働省神奈川労働局のウェブサイトでは、各種のリーフレットも掲載されていますので、参考にしてみるのもおすすめです。
●「「賃上げ」支援金助成金パッケージ」に関するリーフレット
●「最低賃金・賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援施策」に関するリーフレット
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