法律コラム

保育園・幼稚園の事故と責任【安全配慮義務】

保育園や幼稚園では常に園児にまつわる事故が発生するリスクがあります。
たとえば、幼児の心理的な状況によっては、情緒不安定に陥って思いがけず他の園児に暴力をふるって怪我をさせてしまったり、元気よく遊んでいるつもりがエネルギーのコントロールができずに他の園児にぶつかって怪我をしてしまったり、高所から落ちて頭を打ってしまったり、食事中に誤って食べ物を飲み込んでしまって障害を負ってしまったり・・・と考えられる事故は多種多様です。

もっとも、幼少期の事故は後の健全な心身の育成に多大な影響を及ぼすことから、保育園や幼稚園内で事故が起きてしまうと、保護者や社会から非常に厳しい目で見られることになります。
そのため、園の運営管理者としては、園児らが日々の生活の中から危険な物事や場所、状況などを感じながら、学びとっていくことを指導するだけでなく、園児らが安全に園生活を過ごすことができるよう十分な注意を払っていかなければなりません。

今回は、幼稚園に通う4歳の男児が昼食中にウインナーを誤嚥したことで心肺停止に陥ってしまった事故をめぐり幼稚園の法的責任が問われた事案を紹介します。

園児ウインナー誤嚥事件・さいたま地裁令和5.3.23判決

事案の概要

本件は、A1さん(4歳)が学校法人B1学園が経営するB1幼稚園において昼食をとっていた際、ウインナーを喉に詰まらせ、医療機関に救急搬送されたものの、低酸素性虚血性脳症等の後遺症を負ったことから、A1さん及びその両親らがY1学園らに対して安全配慮義務違反に基づく損害賠償等の支払いを求めた事案です。

事実の経過

A1さんの幼稚園在籍状況

A1さんはA2さんとA3さんとの間に平成23年生まれた男児であり、A4さんという姉がいました。
A1さんは本件事故の当時4歳であり、学校法人B1学園が経営するB1幼稚園の年中組に在籍していました。

A1さん
A1さん

年中さんです!

そして、B2さんは、B1学園の理事長であり、B1学園を代表し、その業務を総理する地位にありました。
また、B3さんは、B1幼稚園の園長であり、園が預かる園児の保育及び安全管理の統括責任者として業務に従事しており、B4さんは、B1学園に雇用された教諭としてB1幼稚園に勤務していました。

幼稚園教諭をしています

B4さん
B4さん

本件事故

平成28年11月17日、B1幼稚園の教諭B4さんその他3名の教諭は、2階ホールにおいて、A1さんを含む年中組の園児約70名に椅子を机代わりにして昼食をとらせていました。
ところが、A1さんは昼食中、持参したお弁当に入っていたウインナーを誤嚥し、呼吸困難に陥りました。

A1さん
A1さん

ウインナーがつまっちゃった

もっとも、B1幼稚園では、本件事故当時、誤嚥事故発生時の対応マニュアルを用意したり、教職員全員を対象にした定期的・組織的な心肺蘇生法の講習を受講させたりするなどの体制は整えられていませんでした。

B4さんらによる処置

B4さんは、A1さんの背中をたたいたり、A1さんの口内に指を入れたりしてA1さんの喉に詰まった異物を除去しようと試みましたが奏功しませんでした。

どうしよう!でてこない!

B4さん
B4さん

そこで、B4さんは、他の教諭に対して救急車を呼ぶように指示しました。
もっとも、A1さんはなおも苦しそうにし、さらに椅子に対して前かがみだったところから急に仰向けになり、苦しそうに手足をバタバタさせました。

B4さんは、A1さんの容態が改善しないことから、再度A1さんの口内に指を入れました。
すると、A1さんは強い力で口を閉じてしまったため、B4さんの指が抜けなくなってしまいました。

指が抜けなくなっちゃった!

B4さん
B4さん

そこで、B4さんは、スプーンを使ってA1さんの口を開け、指を抜きました。

病院への搬送

その後、A1さんは居合わせたB学園の教職員らによって、2階ホールから1回事務室に搬送されました。
B1幼稚園に到着した救急隊は、A1さんに対する心肺蘇生法を継続しながら、D医療センターへ搬送を開始しました。
救急搬送中、A1さんの心拍は再開し、D医療センターにおいて治療を受けましたが、Aさんは同センターにおいて遷延性意識障害との診断を受けました。

A1さんの後遺障害

そして、A1さんは、転院先であるEセンターにおいて低酸素性虚血性脳症後遺症との診断を受けました。
平成28年12月、A1さんは、埼玉県から身体障害者手帳の交付を受け、「疾病による両上肢機能全廃、両下肢機能全般(上肢1級)(下肢1級)」として身体障害者等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第5号)による級別1級の認定を受けました。

訴えの提起

そこで、A1さんらは、A1さんが低酸素性虚血性脳症等の後遺症を負ったことに関して、

①B4さんらがA1さんの意識喪失後直ちに心肺蘇生法を実施しなかったこと

または

②B4さんらが適時適切な遺物除去措置を実施しなかったこと

に過失もしくは安全配慮義務違反があると主張し、

また、B1学園及びB2さん、B3さんについては、

③園児の安全を管理する体制を構築していなかったこと

に過失もしくは安全配慮義務違反があると主張し、
不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償金等の支払いを求める訴えを提起しました。

争点

本件では、
①B4さんらがA1さんに対して適時適切に心肺蘇生法を実施しなかった過失又は安全配慮義務違反があったか否か
②B4さんらがA1さんに対して適時適切に心肺蘇生法を実施しなかった過失と結果との間に因果関係が認められるか否か
③B4さんらがA1さんに対して適時適切な異物除去措置を実施しなった過失又は安全配慮義務違反があったか否か
④B4さんらがA1さんに対して適時適切な異物除去措置を実施しなった過失と結果との間の因果関係が認められるか否か
⑤B1学園、B2さん、B3さんには安全管理体制構築義務違反があったか否か
⑥B1学園、B2さん、B3さんには安全管理体制構築義務違反と結果との間に因果関係が認められるか否か
⑦A1さんらの損害
⑧過失相殺の成否
が争点となりました。

本判決の要旨

争点①B4さんらがA1さんに対して適時適切に心肺蘇生法を実施しなかった過失又は安全配慮義務違反があったか否かについて

注意義務の内容及びその程度について

本件事故当時、救急救命学上、気道異物による誤嚥窒息を疑った場合には、救護者は以下の対応をとるべきであるとされていたことが認められる。(…)本件においては、異物除去による気道確保のための措置が奏功しなかった時点で、速やかに心臓マッサージを開始するなどして、脳に血液を早期に環流させるべきであったといえる。
もっとも、前記対応は講学上において最良とされるものであるところ、本件事故が発生したのは幼稚園内であって、B4さんらは医療機関あるいは医療従事者ではない。そして、JRCガイドラインを含む前掲各証拠の記載は、幼稚園職員を含む一般市民に対して、記載どおりの対応をするべき義務を当然に課しているとまでは読み取ることができない。B4さんらの具体的な注意義務の内容は、上記のとおりのB4さんらの属性や事故の発生した場所のほか、発生に至る経緯や児童の年齢等の諸般の事情によって異なるといえるところ、本件事故は、家庭から持参した弁当の喫食時に発生しており、園児の年齢を踏まえても、一般的に誤嚥事故発生の危険性が非常に高いとまではいえない。
これらの事情からすれば、本件事故に際して、B4さんらが前記のような講学上最良とされる救命措置を講じることができなかったとしても、それが直ちに法律上の過失又は安全配慮義務違反を構成するものではないというべきである。以下では、これを前提に検討する。

本件における検討
①一度目の指入れの後、原告A1がのた打ち回った時点

この時点では、被告B4さん及び訴外Pが、原告A1さんの反応がなくなったと認識していた、又は認識することができたとはいえず、また、このような状況において原告A1さんにCPRを施すことは極めて困難であったとも解されるから、この時点でCPRを開始しなかった被告B4さんに過失又は安全配慮義務違反があったとは認められない。

②二度目の指入れ後、指が抜けなくなってしまった時点

被告B4さん、訴外P及び訴外Q(以下、この項において「被告B4さんら」という。)にとって、この時点で原告A1さんの反応がなくなったと認識することが可能であったと一応認めることができる。
しかし、(…)被告B4さんらが医療従事者ではないことにも鑑みれば、この時点で被告B4さんらが原告A1さんに対して直ちに心肺蘇生法を開始せず、背部叩打法を続けたとしても、そのことが被告B4さんらの過失又は安全配慮義務違反であると評価することはできないというべきである。

③原告A1が2階ホールから運び出される時点

その後、(…)原告A1さんの周囲に居合わせた被告B3さんらにとって、原告A1さんの顔貌や様子から、その意識・反応がないことは容易に認識することができたというべきである。(…)したがって、この時点、すなわち被告B3さんによる背部叩打が終わった時点で、原告A1さんの周辺にいた被告B3さんらは、直ちにその場で心肺蘇生法を講じるべき注意義務があったというべきである。(…)したがって、この時点で、被告B3さんらには、原告A1さんに心肺蘇生法を実施しなかった過失又は安全配慮義務違反が認められる。

他方で、被告B4さんは、前記認定のとおり、この時点では原告A1さんからは離れた洗面台におり、原告A1さんの処置には当たっておらず、被告B3さんらに原告A1さんの処置を委ねていたとみることができる。そうすると、被告B4さんはこの時点で原告X1の意識・反応がなく、直ちにCPRを開始すべき状態であると認識しておらず、認識することもできないから、被告B4さんには、原告A1さんに心肺蘇生法を実施しなかった過失又は安全配慮義務違反は認められない。

争点②B4さんらがA1さんに対して適時適切に心肺蘇生法を実施しなかった過失と結果との間の因果関係について

被告B3さんらの過失又は安全配慮義務違反がなければ、原告A1さんに重篤な後遺症が残らなかったといえる高度の蓋然性が存するとまでは認められないから、被告B3さんらの過失と原告A1さんに残存した後遺症との間の因果関係は、これを認めることはできない。

もっとも、(…)仮に被告B3さんらが、2階ホールから原告A1さんを運び出す前に心肺蘇生法を実施していれば、原告A1さんは、心停止後であっても、脳への血流が確保され、その結果、A1さんに重篤な後遺症が残存しなかった相当程度の可能性があったことを推認することができる。したがって、被告B3さん、同B2さん及び同学園は、原告A1さんに重篤な後遺症が残らなかった相当程度の可能性を侵害したことによって原告A1さんに発生した損害を賠償する責任を負うというべきである。

争点③B4さんらが原告A1さんに対して適時適切な異物除去措置を実施しなかった過失又は安全配慮義務違反があったか否かについて

注意義務の内容及び程度について

本件事故当時、講学上は、園児の誤嚥窒息を疑った場合、救護者は救急通報を依頼した上で、反応があるうちは頭を下にして背部叩打法と腹部突き上げ法(又は胸部突き上げ法)を繰り返し行い、反応がなくなった場合は直ちに心肺蘇生法を開始するべきとされていたこと、傷病者の口腔内に固形物が視認できない限り、指入れによる異物除去は推奨されていなかったことがそれぞれ認められる。
もっとも、前掲各証拠の記載が、救護者個人に記載どおりの救護措置を講じるべき法的義務を課す趣旨であるとまでは読み取ることはできず、B4さんらは医療機関又は医療従事者でないことなどから、前記アで認定したとおりの最良の異物除去措置を講じることができなければ、直ちに過失又は安全配慮義務違反があるとまではいえない(…)。

以上のとおり、被告B4さんに適時適切な異物除去措置を講じなかった過失又は安全配慮義務違反があったとは認められず、被告学園、被告B3さん及び被告B2さんにも同様に過失又は安全配慮義務違反は認められない。よって、当該過失等を前提とするA1さんらの請求は、因果関係(争点④)を検討するまでもなく理由がない。

争点⑤B1学園らに安全管理体制構築義務違反があったか否かについて

安全管理体制構築義務違反の有無

本件事故の当時(…)の法令等の定めに照らせば、被告学園らは、園児の生命身体に危険が生じた際には、これに適切に対応して園児からその危険を除去すべく、抽象的には、本件幼稚園の管理運営体制の整備充実、危機管理マニュアルの策定・周知及び各職員らの事故対応・危機管理能力の向上に努めるといった安全管理体制の構築をすべき義務を負っていたということができ、これらの危機管理マニュアルが策定され、その内容が被告学園の職員らに周知され、同マニュアルに沿った対応ができるように定期的な訓練が実施されていたら、本件において被告らは、講学上推奨される異物除去措置及びCPRの実施をすることができた可能性があったことは否定できない。
しかしながら、安全管理体制構築義務違反の内容として、原告らのいう〈1〉異物除去措置実施体制、〈2〉CPR実施体制、〈3〉119番通報実施体制なるものを構築することが、被告学園らの法律上の注意義務であり、これに反したことをもって、過失又は安全配慮義務違反があったということはできない。その理由は、次のとおりである。

理由

まず、学校保健安全法26条が定める義務は、「必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」とあるように、いわゆる努力義務であって、結果的に何らかの措置をとっていなかったことをもって、直ちに学校に法的責任を生じさせる趣旨の規定とは解されない。また、同法29条1項及び同条2項は、「作成するものとする。」、「講じるものとする。」とあるように、あくまでも一般的な原則や方針を定めているに留まると解され、それを守らなければ、学校事故が発生した際に学校や校長に直ちに私法上の過失又は安全配慮義務違反が認められるということを定める趣旨とは解されない。
本件ガイドライン(内閣府作成の教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン)も、はしがきに「ガイドラインに書かれている内容は、技術的な助言に相当するものです。」とあるように、学校、その設置者及び園長に何らかの法的義務を課す趣旨であるとは解されない。実際、学校事故対応に関する記載をみると、「職員の資質の向上に努める」と、あくまで努力を促す書きぶりにとどまっている。また、本件指針に関しても、はしがきに「それぞれの学校の実情に応じ、本指針を参考にして」とあることや、事故発生時の対処方法に関して「対応能力の向上に努める」と結ばれていることから、やはり学校、その設置者及び園長に義務を設定するものと解することはできない。

そもそも、被告学園の職員は園児の命を預かっている以上、保育を行う前提として、その安全を確保することが当然に求められており、本件のような誤嚥事故が生じた場合に適切な救命措置を講じることは安全配慮義務の一内容になっているものであり、それを超えて前記各体制を構築することが法的に義務付けられていると認めることはできない。

小括

したがって、被告学園が、原告らが主張する前記各体制を構築していなかったとしても、それが本件事故との関係で被告学園らの過失又は安全配慮義務違反であるということはできない。よって、当該過失等を前提とする原告らの請求は、因果関係(争点⑥)を検討するまでもなく理由がない。

争点⑦損害について

被告B3さん、同B2さん及び同B1学園は、原告X1さんに重篤な後遺症が残らなかった相当程度の可能性を侵害したものと認められる。心肺蘇生法の実施が遅れたことによる原告A1さんの無念の思いは極めて大きいものといえるから、その慰謝料額としては、本件事案の内容、原告A1さんに重篤な後遺症が残らなかった可能性の程度、被告B3さんらが原告A1さんに施した処置の態様その他本件で表れた一切の事情を考慮した上で、500万円と認めるのが相当である。また、弁護士費用相当額の損害については、認容額等に照らせば50万円と認めるのが相当である。

争点⑧過失相殺の成否について

被告らは、本件事故は原告A4さんが弁当に入れた2.5cm大のウインナーを原告A1さんが喉に詰まらせた事案であり、原告A4さんが、原告A1さんの喉に詰まりやすい形状にして入れた点に落ち度があるから、被害者側の過失として少なくとも5割の過失相殺をすべきであると主張する。

しかしながら、幼稚園の年中組に在籍する当時4歳10か月の原告A1さんの弁当に入れるウインナーとして、2.5cm大のものが、殊更誤嚥しやすい大きさであると認めることはできず、原告X1さんが過去に同様の窒息事故を重ねていたとか、特に誤嚥しやすい体質であったといった事情も見当たらない。そうすると、仮に原告A1さんがよく咀嚼せずに食べる傾向があったのだとしても、原告A4さんが弁当に2.5cm大のウインナーを入れて原告A1さんに持たせたことが、過失相殺を認めるべき事情であるとは認め難い。
したがって、本件で過失相殺は認められない。

結論

よって、裁判所は、以上の検討により、A1さんとの関係で、B1学園、B2さん、B3さんに対して、A1さんの重篤な後遺症が残らなかった相当程度の可能性を侵害したことによる慰謝料等550万円の支払いを命ずる判断を示しました。

ポイント

まとめ

本件は、幼稚園の年中組に在籍していたA1さん(4歳)が昼食時に持参したお弁当に入っていたウインナーを誤嚥して窒息し、低酸素性虚血性脳症等の重篤な後遺症を負った事故について、救護にあたった教諭や理事長らに対して、安全配慮義務違反などに基づく損害賠償の支払いを求めた事案でした。

裁判所は、A1さんの誤嚥後の状況について

と認定したうえで、B3さんやB4さんが医療従事者ではないことなどの事情にかんがみ、講学上最良とされる救命措置を講ずることができなかったとしても、それが直ちに法律上の過失等を構成するものではないと判断しました。
もっとも、④が終わった時点では、一貫して異物除去が奏功していなかったという経緯やA1さんの意識・反応がない様子があったことなどに照らして考えれば、医療従事者ではないB3さんにとっても、少しでも早く心肺蘇生法を実施すべき情況だったとしてB3さんに過失等を認めました。

そして、④が終わった時点で、A1さんは短く見積もって心肺停止から3分程度経過していたという事情の下では、B3さんの過失等がなければ、A1さんに重篤な後遺症が残らなかった高度の蓋然性が存するとまでは認められないが、相当程度の可能性を侵害したという限度ではB1学園、B2さん、B3さんは責任を負うべきであると判断しました。

このように本判決は、誤嚥事故において講学上最良とされる救命措置及び誤嚥対処措置を認定しつつも、医療従事者ではないB3さん、B4さんらに求められる措置の水準は必ずしも一致するものではないこと、事故当時の具体的状況に照らして過失等の有無を判断すべきことを示しており、誤嚥事故の際に求められる職員の責任の程度を考えるうえで参考になります。

弁護士にご相談ください

本件では、事故当時、B1幼稚園において、誤嚥事故発生時の対応マニュアルを用意したり、教職員全員を対象にした定期的・組織的な心肺蘇生法の講習を受講させたりするなどの体制は整えられていませんでした。
もっとも、食品による窒息は未就学児(特に5歳以下)では特に多く、このような窒息は、子ども側の要因(たとえば、食べる力が弱い、何個もまとめて口に入れてしまった、食べることに集中できていなかったなど)と食品側の要因(たとえば丸くてつるっとしすぎていた、粘着性が高すぎて飲み込みづらいものだった、硬すぎて嚙み切れなかったなど)の両要因があわさって生じるとされています。

したがって、幼稚園や保育園の運営者においては、特に誤嚥が生じる危険が非常に高いことを想定し、日頃から誤嚥事故発生時の対処方法について職員に指導したり、研修を受けさせたりしておく必要があるといえます。

また、幼稚園・保育園では、誤嚥以外のリスクや危険もあちこちに潜んでいることから、定期的に園内のリスクを見直し、リスク軽減措置や問題が発生した場合の対応方法について考えておくことも大切です。

誤嚥事故に関する事案について、こちらもご覧ください。

施設運営者・経営者の果たすべき責任の程度や安全配慮義務とはなにか、職員に対してどのような研修や指導が必要なのかなどについてお悩みがある場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。