インターネットビジネスの注意点
IT技術の発展に伴いBtoBであるとBtoCであるとを問わず昨今オムニチャネル戦略をとる会社が増えています。しかも、スマホの普及やコロナ禍による宅内需要の高止まりを受け、通販・EC市場は拡大傾向にあるといわれています。そのような中で積極的に自社のECサイトを立ち上げて、積極的にビジネスを展開しようという企業様もいらっしゃるでしょう。そこで、今回はECサイトを運営するに当たっての法律上の注意点を解説していきます。
ECサイトに由来する注意点
電子消費者契約法
この法律は、正式名称を「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」といい、消費者がオンライン取引におけるその取引の成立場面について、クリックミスなど操作ミスが起こりやすいことから、民法に定める錯誤に関する特例を定めたものです。
事業者が確認画面を表示するなど消費者のその取引に関する意思表示の有無について確認措置を講じたかどうかという点などが重要になります。
特定商取引法
この法律は、この法律において特定商取引として定義された類型の取引形態について、さまざまな規制などを規定して、消費者等の利益を保護することなどを目的としたものです。
そして、この規制のある取引形態の中でインターネットビジネスとの関係で重要になってくるのが、通信販売に関する規律です。ECサイトを開設、運営する場合、この通信販売に該当するため特定商取引法が規定する行政上、民事上の規制に服することとなります。
資金決済法
巷では、買い物などの際、さまざまな「ポイント」を取得したりそれを支払いの一部に充てたりして、決済を行うことがあります。このようにポイント制を導入したり、既にあるようなものを利用したりする際には、場合によっては事前の届出や登録、供託等の手続きをとる必要があります。
景品表示法
消費者が誤認するような不当な広告をすることなどを禁止した法律で、正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」といいます。本当は期間限定価格で安くなっているわけではないのに、「期間限定価格」と銘打ってあたかもお得な価格で商品やサービスを展開していたり、商品が著しく優良であると示したりすることなどを禁止しています。この法律に照らして宣伝文句などが適法かどうかなどチェックが必要になります。
業態や取り扱う商材に由来する注意点
薬機法
この法律は、医薬品はもちろん医薬部外品、化粧品なども対象とした法律で、保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止などを目的に制定されたものです。
化粧品等を販売するような場合、広告をするに際し、誇大広告の禁止や未承認の医薬品等の広告の禁止など広告に関する規制などがこの法律によってかかってきますので確認が必要です。
その他業法
その他にも、各業法による規制等が考えられます。
まとめ
これまで述べてきたところはとても概略的な話であり、実際の規制はさらに詳細です。それでも、インターネットビジネスを展開するに当たって各種法規制との関係が問題になることがお分かりいただけたと思います。
これらの法規制に違反するとそれぞれの法律に基づく行政的なサンクションがあったり、民事上の責任を問われたりといったリスクがあります。また、それらはレピュテーションリスクとも切っても切れない関係にあるでしょう。
そのため、インターネットビジネスにおけるリーガルチェックはとても重要です。これからインターネットビジネスを始めようとする企業様や既に運営はしているがリーガルチェックが万全でないと考える企業様など、インターネットビジネス関係でお悩みの企業様は、ぜひ、当事務所にご相談ください。