フリーランス保護法に気をつけていますか?【公正取引委員会による勧告】
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フリーランス保護法とは?
フリーランス保護法について
すでに多くの人に知られるようになったフリーランス保護法。
正式な名前は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」といいます。
これまで、フリーランスは会社との関係では不利な立場に置かれることが多く、契約条件なども不明確なまま業務を遂行させられたうえに、代金の支払いもきちんと受けられないといったことが度々発生していました。
そこで、フリーランスの方が安心して業務を遂行できるような環境を整えるべく、フリーランス保護法が制定されたのです。
フリーランス保護法について、詳しくはこちらのページでご紹介しております。また偽装フリーランスについては、こちらをご覧ください。
フリーランス保護法に違反したとき
フリーランス保護法に違反すると、行政機関が、違反した業務委託事業者等に対して、違反行為についての助言、指導や報告の徴収・立入検査、勧告、勧告に従わない場合の命令・公表を行うことができることを定めています(法8条、9条、11条、18条~20条、22条)。
さらに、業務委託事業者が命令に違反したり、検査拒否したりする場合には、50万円以下の罰金が課されることになります(法24条、25条)。
公正取引委員会の指導や勧告などが続いています
さて、このような中、フリーランス保護法をめぐっては、公正取引委員会による事業者への指導や勧告が続いています。
令和7(2025)年3月28日には、45名の事業者に対して、契約書や発注書の記載、発注方法、支払期日の定め方等の是正を求める指導が行われ(詳しくはこちら)、令和7(2025)年6月17日には、フリーランス保護法の施行後、初めての「勧告」が行われました(詳しくはこちら)。
また、その後も、公正取引委員会による指導や勧告などが続いています。
そのため、フリーランス保護法に違反していないかどうか、常に注意が必要です。
弁護士にもご相談ください
いまやフリーランス保護法違反は他人事では済まされません。
フリーランス保護法の施行やフリーランスとの関わり方についてお悩みがある場合には、まずは弁護士に相談してみることもおすすめです。
お悩みの場合には、弁護士法人ASKにご相談ください。
株式会社共同通信社へ勧告が行われました
さて、令和8(2026)年2月25日、公正取引委員会から次なる勧告がなされました(公正取引委員会ウェブサイト;「(令和8年2月25日)株式会社共同通信社に対する勧告について」参照)。
今回の対象事業者は株式会社共同通信社です。
以下では、事案の概要を含め、勧告の具体的な内容をご紹介したいと思います。

公正取引委員会による勧告に至る経緯
公正取引委員会は、共同通信社(株式会社共同通信社)に対する調査を行なっていました。
その調査の結果、共同通信社がフリーランスの棋士、記者、カメラマン、イラストレーターなどとの間で締結した業務委託契約の内容に、フリーランス保護法に違反する事実が認められました。
そこで、公正取引委員会は、共同通信社に対して、フリーランス保護法に基づく「勧告」を行うに至りました。
指摘されたフリーランス保護法違反の事実
今回、公正取引委員会が共同通信社について認定したフリーランス保護法違反の事実は、【取引条件の明示義務】(フリーランス保護法3条1項)、【期日における報酬支払義務】(フリーランス保護法4条5項)に関するものです。
具体的な違反事実の概要
共同通信社とフリーランスとの間の業務委託契約
共同通信社は、特定受託事業者(個人であり、事業者を使用しないもの又は法人であって、一の代表者以外に他の役員がなく、かつ、従業員を使用しないもの)に対して、
・自社が企画運営する囲碁や将棋のイベントの立ち会い、撮影、観戦記の点検・校正
・自社が出版する年管鑑などの原稿の執筆
・自社が運営するWEBメディアの記事の執筆、イラスト作成、配信する海外リリースの翻訳、自社が運営するイベントなどでの講演や撮影
などの業務を委託(本件業務委託)していました。
共同通信社は取引条件を明示しなかった
【取引条件の明示義務】
フリーランス保護法3条1項では、業務委託事業者は、特定受託事業者に対して業務委託をした場合には、原則として、特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を書面又は電磁的方法により明示しなければならないとされています。
取引条件の内容を定められないことについて正当な理由がある場合には、明示を要しないとされていますが、その場合でも、取引条件の内容が定まった後は直ちにこれを明示することが必要です(フリーランス保護法3条1項ただし書)。
【取引条件の明示義務に違反する行為】
ところが、共同通信社は、令和6年11月1日から令和7年2月13日までの間、特定受託事業者45名に対して、本件業務委託を行った際、直ちに、特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を、書面または電磁的方法により、当該事業者に明示していませんでした。
共同通信社は期日における報酬支払義務に違反した
【期日における報酬支払義務】
また、フリーランス保護法4条1項、2項、5項では、特定業務委託事業者が、特定受託事業者に対して業務委託をした場合には、給付の内容の検査の有無にかかわらず、特定業務委託事業者が特定受託事業者の給付を受領した日から60日以内で、できる限り短い期間内に報酬の支払期日を定め、その報酬を支払わなければならないとされています。
なお、再委託の場合には、発注元から支払いを受ける期日から30日以内とされています(フリーランス保護法4条3項)。
【期日における報酬支払義務に違反する行為】
もっとも、共同通信社は、令和6年11月12日から令和7年2月13日までの間、特定受託事業者45名に対して、本件業務委託を行った際、報酬の支払期日を定めておらず、当該事業者の給付を受領した日または役務の提供を受けた日までに報酬を支払いませんでした。

公正取引委員会による勧告の内容
そこで、公正取引委員会は、共同通信社において行われている上記のフリーランス保護法違反の事実を踏まえて、共同通信社に対して、
①取締役会の決議において、今後、取引条件を明示すること、支払期日までに報酬を支払うことなどを確認すること
②特定受託事業者との取引について、取引条件の明示、期日までの報酬の支払の観点から問題が生じていなかったのかを調査し、問題が認められた場合には必要な措置を講ずること
③研修を行うなど、社内体制を整備すること
などを内容とする「勧告」を行いました。
詳しくは、公正取引委員会ウェブサイト;「(令和8年2月25日)株式会社共同通信社に対する勧告について」をご覧ください。

弁護士法人ASKにご相談ください
さて、今回は、共同通信社に対するフリーランス保護法違反に基づく勧告について、ご紹介しました。
近年、公正取引委員会は、フリーランス保護法に違反する疑いのある行為を行なっている事業者やその業種に関する情報収集を積極的に行なっています。
また、冒頭でも述べた通り、公正取引委員会からは、取引条件の明示義務違反や、期日における報酬支払義務の違反などをしている企業に対して、指導や勧告が行われています。
フリーランスの方との業務委託契約の締結は、いまや企業に欠かせない取引になっていると考えられます。
今回の事例を踏まえて、改めてフリーランス保護法の内容を確認するとともに、業務委託契約書の内容を確認し、必要な修正等を行うことが重要です。
業務委託契約についてお悩みがある場合には、ぜひ弁護士法人ASKにご相談ください。
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