納得のいかない税金に困ったら〜税務トラブル〜
「身に覚えのない加算税をかけられた」「税務署の課税処分に不服を申し立てたい」など、税金に関する悩みを感じられたことはないでしょうか。
企業が経営活動を行うことで利益が出た場合、当然ながら税金を支払う必要があるため、企業が利益を追及して経営活動を行う以上、税金問題とは必ず関わり合うことになります。そこで今回は、企業がしばしば抱えることになる税務トラブルのうち、加算税の分類と不服申し立ての方法等について簡単にご説明します。
加算税の分類
加算税は、通常の計算に基づく税金の支払いよりも多くの税金を支払わなくてはならない場合であり、以下の4類型に分けられます。
過少申告加算税
期限内に納税申告書が提出されたが、その後に納税申告が適正でないとして修正申告・更生が行われた場合には、原則として当該修正申告等により増加した税額の10%に相当する金額の過少申告加算税が課されます。
無申告加算税
期限後に納税申告をしたり、納税の決定を受けた場合には、原則として、納税すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%に相当する金額の無申告加算税が課されます。
不納付加算税
源泉徴収等による国税について、期限後に納付し、又は納税の告知があった場合には、原則として、納税すべき税額の10%に相当する不納付加算税が課されます。
重加算税
以上3つの加算税が課される場合に、納税者に仮装隠蔽行為があったときには、それぞれ加算された納税額に対して、35%から40%に相当する重加算税が課されます。
税務調査
納税の申告をした後、税務署において納税額等に疑問が生じた場合には、税務調査が行われることがあります。そこでは、会計帳簿や領収書等の資料の提出や詳細な説明が求められ、それらによっても納税額等の疑問が解消されないときは、加算税の納付を求められる可能性があります。そのため、そもそも納税申告の時点で十分な調査等を行うことが重要であることはもとより、税務調査の際には、提出する資料や求められる説明などについて入念な準備をしておくことが重要です。
不服申し立ての方法
再調査請求
まずは税務署長等の行った課税処分について、当該処分を行った税務署長等に対して再調査の請求を行うことになります。この不服申立ては、課税処分を行った行政機関そのものに対して行うものであり、課税処分の再考を求めるものです。
審査請求
課税処分を行った行政機関に対する再調査請求をして、それに対する応答があったものの、その応答に対してなお不満があるときは、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができます。国税不服審判所は、国税庁の特別機関として、課税処分の不服申し立てに対してその判断をする機関ですので、この審査請求により税務署長等の行った課税処分が適正なものかという判断を求めることになります。
訴訟
上記審査請求を経ても国税不服審判所所長の判断に不満がある場合には、裁判所に対して、課税処分の取消しを求める訴訟を提起することになります。訴訟を有利に進めるには証拠関係や主張の整理等に専門的な知見が不可欠であり、審査請求までの手続きよりもさらに、訴訟に至った場合には専門家である弁護士等のアドバイスを受けながら進めるのが有用であると思われます。
早めの対応が重要
加算税が多額になると企業の経営を圧迫してしまうリスクがあります。そのため、納税額について修正等を求められた場合には、早急に対応し、重加算税を回避する判断が重要となります。また、脱税と評価されれば刑事事件に発展する可能性もありますので、税務署等の判断や加算税への対応は早急かつ適切に行うことが求められます。
税金問題でお困りのときは当事務所まで
当事務所では、主として人の生活に関わる法律問題を業務として扱っていますが、人の生活には税金問題が密接であり、人が日々の生活を送るうえで税金のトラブルは避けられませんので、法律問題に付随して税金問題にも深く関わっているのが実情です。また、刑事事件や行政上の不服申し立て、訴訟などの裁判業務は特に重点的に取り扱っていますので、税金のトラブルを早期にご相談いただくことで、課税処分への不服申し立てや刑事処分の可能性等も見据えた対応についてアドバイスすることができます。
税金問題でお困りのときは、まずは当事務所までご相談ください。