労働問題

医師のオンコール待機時間帯は労働時間か?【医療法人社団誠馨会事件】【判例解説】

医師のオンコール業務は、それぞれの患者さんにとって必要な医療措置を適時かつ適切に行い、より多くの人の命と健康を守るために、医師が日々行っている重要な業務の一つです。
もっとも、オンコール待機中は、夜間や休日の時間帯に、院内または院外で待機し、電話などで招集があれば直ちに病院に駆けつけることが求められます。

そのため、多くの病院では、院外で過ごす場合であっても、
➤招集後30分以内には到着できること
➤医療機関から半径5キロメートル以内の範囲内にいること
➤すぐに診療に参加できる状態にあること
などの条件が提示されています。

また、招集の呼び出しさえなければ、院外で自由に過ごすことができるとはいえ、オンコール待機中は、いつ電話がかかってくるかもわからない状態に置かれます。
さらに、実際に医師が招集された場合に行う重症患者への対応や検査、緊急手術といった業務負荷は非常に重いにもかかわらず、医療機関側から支払われる報酬額は少ないため、均衡に欠く面もあります。

このように、オンコール業務の実態からみても、医師の働き方(労働問題)については、数多くの課題を抱えていることがわかります。

医師の働き方改革によって、令和6(2024)年4月1日から、医療に従事する勤務医の時間外・休日労働時間は、原則として年960時間が上限と定められましたが、日本は患者さんの数に対して医師の数が圧倒的に不足しており、わが国の医療逼迫には更に拍車がかかるとともに、医師一人あたりにかかる負担も大きくなっていくことが予想されます。
働き方改革による新制度開始後も、医療従事者の働き方についてリサーチを続け、必要に応じて勤務時間や労働条件に関する更なる見直しを図っていく必要があります。

さて、今回は、研修医のオンコール待機時間等が労働時間に該当するか否かが争われた事件がありました。
待機時間の労働時間該当性は近年問題になるケースも増えてきているところですので、本ケースを通じて、改めて「労働時間」制について確認していきましょう。

医療法人社団誠馨会事件・千葉地裁令和5.2.22判決

事案の概要

本件は、研修医として勤務していたAさんが、B医療法人に対して、雇用契約または労働基準法第37条1項、4項に基づく未払いの割増賃金等の支払いを求めた事案です。

労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)

1 使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が1箇月について60時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

2,3(略)

4 使用者が、午後10時から午前5時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

5 (略)

労働基準法

事実の経過

AさんとB医療法人の雇用契約締結

Aさんは、平成28年3月に大学の医学部を卒業し、医師免許を取得して、同年4月から平成30年3月まで岐阜県内の病院で初期研修医として勤務していました。
他方、B医療法人は、千葉県松戸市にN病院(本件病院)を開設する医療法人社団であり、本件病院には、内科、心臓内科、脳神経外科、整形外科、形成外科、救急科等の診療科が設けられていました。

Aさんは、大学医学部時代の臨床研修および初期研修医としての勤務において、形成外科の診療や手術の見学、補助等の経験はなかったものの、形成外科の専攻医を志すようになり、形成外科を開設して研修プログラムを提供している本件病院で後期研修医として勤務することを希望しました。
そこで、AさんとB医療法人は、Aさんを医師として雇用する旨の契約を締結しました。

医師として働いていただきます

B法人
B法人
Aさん
Aさん

よろしくお願いいたします。

雇用契約の内容

AさんとB医療法人との間で締結された雇用契約の内容は以下のとおりでした。

本件病院での当番制度

本件病院では、所属医師が当番制により当直を行うことになっていたところ、Aさんは、形成外科所属医師として、外科当直のみを担当していました。

また、本件病院の形成外科では、所属医師が、当番制により、就業時刻後から翌日の始業時刻まで(日曜・祝日は、当該日の日直医の業務時間中も含む)、本件病院内または本件病院外で本件病院からの問い合わせに対応することとなっていました(オンコール当番)。

さらに、本件病院では、救急隊等からの手指切断患者の受け入れ可否を問う電話連絡に対し、24時間365日、本件病院の医師が直接対応する制度(切断指ホットライン)を設けており、形成外科では、オンコール当番医が、同当番担当時間中の切断指ホットラインにも対応することとなっていました。

これらに加え、本件病院では、緊急対応医師を確保するため、各医師に対して、早出勤務およびつなぎ勤務を求めることもありました。

Aさんの勤務状況

Aさんは、日勤において、外来、手術、その見学、入院患者の処置等の業務を行っていました。

また、Aさんは、平成30年4月は5回、同年5月は8回、同年6月は10回、同年7月は11回、同年8月は5回のオンコール当番を担当していましたが、このうち当直日と重なっていたのは12回だけでした。
また、Aさんが、本件病院外においてオンコール待機をしている際に、本件病院からの問い合わせ等に応じて出勤した回数は、当番の回数で6回(出勤回数は7回)でした。

さらに、本件病院外におけるオンコール待機中の架電は、平日はオンコール当番4回のうち架電がない当番の回数が1回程度、それ以外は当番1回につき1回以上の頻度であり、日曜・祝日はオンコール当番のたびに複数回の架電がある状況でした。

Aさん
Aさん

オンコール待機中もいそがしいな…

Aさんの退職

このような中、Aさんは、平成30年8月15日から休職するようになり、同月16日付で適応障害の診断を受けました。
Aさんは、同月18日および19日は当直業務を行い、同日の当直明けから同日20日の朝までオンコール当番をしましたが、同年10月31日、復職をしないまま本件病院を退職しました。

Aさん
Aさん

もう限界だ… 辞めよう

訴えの提起

その後、Aさんは、本件病院における時間外労働の労働時間に対応する賃金等が支払われていないとして、B医療法人に対して、雇用契約または労働基準法第37条1項および4項に基づく未払いの割増賃金等の支払いを求める訴えを提起しました。

Aさん
Aさん

オンコール待機中も含めて残業代を払って下さい!

オンコール待機中は労働時間とはいえません

B法人
B法人

争点

本件では、主にB医療法人のAさんに対する未払い割増賃金等の有無およびその額が争点となりました。

本判決の要旨

Aさんの賃金単価について

Aさんは、年俸が922万8000円であることから、月額基本給は、これを12等分した76万9000円であると主張していました。
これに対して、B医療法人は、この年俸の中には残業時間48時間に相当する固定残業代20万4000円も含まれているものと主張していました。
そこで、まずAさんの賃金単価がいくらとなるか、具体的には、
AさんとB医療法人との間の雇用契約において、割増賃金も基本給に含める旨の合意がなされていたといえるか
が問題となりました。

割増賃金を基本給に含めることの可否

使用者が労働者に対して労働基準法37条の定める割増賃金を支払う際に基本給にあらかじめ含めて支払うことは直ちに同条に反するものではないが、割増賃金をあらかじめ基本給等に含める方法で支払う場合においては、労働者が割増賃金の支払如何を検討する前提として、労働契約における基本給等の定めにつき、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別できることが必要であり、この判別ができない場合、上記合意は無効となる(最高裁平成28年(受)第222号同29年7月7日第二小法廷判決・医療法人社団康心会事件 参照)。

本件雇用契約の場合

本件契約では、年俸922万8000円を12等分割(月額基本給76万9000円)にて支給する、原則として日直・当直等を行った場合は、別途規程により加算されるが、臨時日・当直及び時間外手当、早出、呼出、待機、手術手当等の手当については本給に含まれるとの合意がされたにとどまり、固定残業代額の明示はなく、また、B医療法人が、Aさんに対し、本件契約締結の際、基本給のうち20万4000円を固定残業代として支払う趣旨であるとの説明をしたとの的確な証拠もない
そうすると、Aさんが、月額基本給のうち時間外労働に対する対価がいくらであるかを判別できたとはいえないから、上記合意は無効である。

裁判所
裁判所

固定残業代の合意は、通常の労働時間の賃金に当たる部分、割増賃金に当たる部分が判別できないので、無効です

Aさんの賃金単価

したがって、割増賃金の算定の基礎となるAさんの月額賃金は76万9000円である。
また、(…)平成30年4月1日から平成31年3月31日までの間、本件契約に基づくAさんの所定休日は121日となり、この日数に基づくAさんの1月平均所定労働時間数は162.67時間である。
以上によれば、Aさんの賃金単価は4727円となる。

Aさんの実労働時間について

Aさんは、未払い割増賃金を請求するにあたり、本件病院に勤務していた際のオンコール待機時間等も実労働時間に含まれるという主張をしていました。
これに対し、B医療法人は、オンコール待機時間等は実労働時間には含まれず、未払い割増賃金を支給するべき労働時間には該当しないと主張していました。
そこで、Aさんの在職期間中の実労働時間が問題となりました。

労働時間とは

労働基準法32条の労働時間に該当するか否かは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かによって客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則等の定め如何により決定されるものではなく、労働者が実作業に従事していない時間であっても、労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には、労働からの解放が保障されているとはいえず、労働者は使用者の指揮命令下に置かれていたものとして、労働時間に当たるものと解するのが相当である(最高裁平成7年(オ)第2029号同12年3月9日第一小法廷判決・三菱重工業長崎造船所、最高裁平成9年(オ)第608号・第609号同14年2月28日第一小法廷判決・大星ビル管理事件 参照〉。

裁判所
裁判所

「労働者が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否か」がポイントです

本件の検討
①本件病院外でのオンコール待機時間が労働時間に当たるか

Aさんのオンコール当番の状況

➣オンコール当番としての対応
形成外科のオンコール当番は、形成外科所属医師以外の医師が外科の当直をしている際、形成外科の専門性が高い変化が患者に生じた場合に、当直医等から問合せを受けて、その処置の方法等を説明し、場合によっては出勤して処置等を行い、あるいは切断指ホットラインに対応するといった、緊急性の比較的高い対応のみが求められていた。

➣オンコール当番中の電話対応及びこれに要する時間
当直医からの問合せは、電話により方法を説明できる程度の処置の内容を説明するものであり、切断指ホットラインは、切断指患者の基本情報等についての救急隊の応答を踏まえて、本件病院から遠方又は外傷が軽微な場合は本件病院での受入れは拒否し、それ以外の場合は上級医に相談した上で救急隊に受け入れる旨の回答をするなどにとどまるから、いずれも長時間の対応を要するものではない。
そうすると、Aさんがオンコール当番中の電話対応の所要時間は、相当に短時間であったと認められる。

➣電話対応や出勤が求められた回数等
本件病院外におけるオンコール待機中の架電は、Aさんの場合、平日のオンコール当番4回のうち架電がないことが1回程度あり、それ以外は当番1回につき1回以上の架電があり、日曜・祝日のオンコール当番時は、本件病院外で毎度複数回、架電があるにとどまるから、オンコール当番時間の長さに比して電話対応の回数が多いとはいえない。
(…)そうすると、Aさんが、私生活上の自由時間が阻害されるような電話対応を余儀なくされていたということはできない。
Aさんは、本件病院在職中、(…)オンコール待機時間中に出勤を余儀なくされても、本件病院外におけるAさんの私生活上の自由時間に多大な影響を及ぼすということはできない。

➣場所的拘束、オンコール待機時間中の行動等
オンコール当番医が処置等のために出勤することがあり得ることからすれば、本件病院から遠方に滞在することができないという事実上の制約があったとは認められるものの、それ以上に、本件病院外でのオンコール待機時間中の所在に制約があったとは認められず、B医療法人がオンコール当番医の本件病院外での待機場所を逐一把握していたとも認められない。
また、B医療法人は、本件病院外での待機中の行動等についてAさんに特段の指示をしていたわけではなく、Aさんは、本件病院外で、食事や入浴、睡眠を取ることもできた。
これらに加え、(…)オンコール対応時間や頻度も考慮すれば、本件病院外でのオンコール待機時間中のAさんの生活状況は、オンコール当番日でない本件病院外での私生活上の自由時間の過ごし方と大きく異なるものであったとは認められない。

小括

以上のとおり、オンコール当番医は、本件病院外においては、緊急性の比較的高い業務に限り短時間の対応が求められていたに過ぎないものであり、Aさんについては、これを求められた頻度もさほど多くないものと認められる。
そうすると、本件病院外でのオンコール待機時間は、いつ着信があるかわからない点等において精神的な緊張を与えるほか、待機場所がある程度制約されていたとはいえるものの、労働からの解放が保障されていなかったとまで評価することはできない
したがって、Aさんは本件病院外でのオンコール待機時間中は、B医療法人の指揮命令下に置かれていたとはいえず、当該時間は労働時間に該当しない

裁判所
裁判所

オンコール待機時間は労働からの解放が保障されていなかった、とまではいえませんね

②休憩時間が労働時間に当たるか

本件病院の医師は、出勤してから退勤するまで院内連絡用PHSを所持し、原則としていつでも看護師等からの電話を受けられるように、同PHSの圏内にいる必要があり、同PHSの連絡について、医師の休憩時間中には連絡しないなどの決まりもなかったと認められる。
また、Aさんが、週1~2回の外来診察、手術、入院患者の処置等の業務を行っていたことからすれば、Aさんも、本件病院に出勤してから退勤するまで、時間を問わず、看護師からのPHSによる連絡を受け医師としての一定の対応をすることが要求されており、またそのような対応を実際にしていたと推認できる。
これらのことに鑑みれば、Aさんは、本件病院に出勤してから退勤するまでの間、常に、本件病院内で医師としての業務をすることを余儀なくされていたものといえるから、本件契約で定められた1時間の休憩時間も労働時間に該当するというべきである。

裁判所
裁判所

ただ、休憩時間も働いていましたね

小括

したがって、Aさんのオンコール待機時間は労働時間に含まれないが、Aさんの休憩時間は労働時間に当たるとされました。

結論

裁判所は、以上の検討に基づいて、Aさんに対する未払賃金額を算定し、B医療法人に対して、未払い分の割増賃金および付加金等の支払いを命ずる判決を言い渡しました。

解説

本件のポイント

ポイント① 固定残業代を基本給に含めるためには該当部分を明らかに

まず、本件では、Aさんに対する未払い割増賃金を算出するにあたり、Aさんの賃金単価が問題になったところ、B医療法人は、Aさんとの間の雇用契約に定められた年俸の中に固定残業代が含まれていると主張していました。

この点について、裁判所は、割増賃金を基本給にあらかじめ含めて支払うこと自体は労働基準法第37条に直ちに反するものではないとして、固定残業代を基本給に含めることは許容しています。
もっとも、裁判所は、このような場合には、労働者側が割増賃金の支払如何を検討する前提として、労働契約の基本給の定めなどにおいて、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別できることが必要であり、判別ができない場合は、基本給に固定残業代含める旨の合意は無効になるとしています。

本件におけるAさんとB医療法人との間の雇用契約においては、基本給などの定めにおいて固定残業代額の明示がなく、また、B医療法人が雇用契約締結の際に、Aさんに対してその旨を説明した証拠もなく、Aさんが月額の基本給のうち時間外労働に対する対価がいくであるかを判別できたとはいえないとして、かかる合意は無効であると判断されています。

したがって、固定残業代を基本給に含める趣旨である場合には、雇用契約締結時にその旨を明記するとともに、労働者本人に対しても十分に説明することが重要です。

ポイント② 待機時間や休憩時間も労働時間に該当し得る

次に、本件では、Aさんがオンコール待機時間や休憩時間も労働時間に該当するものとして、未払い割増賃金の支払いを求めていたことから、これらの時間が「労働時間」に該当するか否かが問題となりました。

この点について、裁判所は、労働時間に該当するか否かは、労働契約や就業規則などの定めによって決定されるものではなく、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かによって客観的に定まるもの」であるとし、仮に「労働者が実作業に従事していない時間であっても、労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には、労働からの解放が保障されているとはいえず、労働者は使用者の指揮命令下に置かれていたものとして、労働時間に当たるもの」と示しています。

すなわち、客観的にみて、待機時間や休憩時間として実作業に及んでいなかったとしても、なお労働者が使用者の指揮命令権限の下に置かれていると評価される場合には、「労働時間」に該当するのです。

本件では、オンコール当番については労働時間に該当しないと判断されたのに対し、休憩時間については、Aさんが「本件病院に出勤してから退勤するまで、時間を問わず、看護師からのPHSによる連絡を受け医師としての一定の対応をすることが要求」されていたことをもって、労働時間に該当すると判断されています。

したがって、労働時間については、労働者が結果的に休息ができていたか否か、実作業を行っていたか否かという観点から見るのではなく、労働者が真に労働(使用者からの指揮命令)から解放されていたか否かという観点から見なければならないことの注意が必要です。

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医療従事者やグループホーム等の職員、警備員などの業種では、業務の性質上、不活動仮眠時間や待機時間が生じます。
このような時間について、企業側は、仮眠や待機中は労働者が実作業をすることが求められていない以上、労働基準法第32条にいう労働時間に該当しないという主張がなされるケースが多いのが現状です。
しかしながら、本件や従来の判例においても示されているとおり、「労働時間」に該当するか否かは、 “労働者が実際に作業をしているかどうか”ではなく、“当該時間においても労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価されるかどうか”(=労働者が労働から解放されているかどうか)を基準として判断されます。

弁護士
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「休憩時間」は労働から解放されているかどうかが判断基準になります。休憩時間の取らせ方の見直しも重要です。

また、これらの時間が労働時間に該当すると判断された場合、割増賃金の算定基礎額も問題となります。
社会福祉法人A会事件(千葉地裁令和5.6.9判決)では、割増賃金の算定基礎額について、本判決は労働契約の内容に照らして、夜勤手当の額に求めていますが、一般的には基本給が基礎となることが多いと考えられます。

弁護士
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既に支払った固定残業代の有効性が認められないと、残業代単価も上がり、なおかつ払うべき残業時間も増えるというダブルパンチになります。

働き方改革の下、ドライバーや医師をはじめとする労働者の労働時間に関する問題は、特にホットなテーマになっています。
いま一度、従業員の労働時間の実態に対して目を向けるとともに、時間外労働に対する賃金の支払い方などについても見直すことが必要かもしれません。

割増賃金を請求された場合の対応や従業員の労働時間に関する問題などにお悩みがある場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。